第7章 おしゃれ着の種類

701.江戸小紋

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小紋とは、小さい紋様を型染めしたものと言う意味ですが、古都の華やかな下町の風情を感じさせる響きがあります。

おしゃれ着から礼装ま幅広い装いができ、感覚的にも理論的にも奥の深い着物として位置づけられ、専門家の間では「小紋を制する者きものを制す」とも言われるくらいです。

街着(普段着)として着られていた小紋に、いろいろな着方があるのも当然といえば当然で、「小紋を着ること」は「女らしさ」を着ることにほかならないのです。

江戸小紋

地色と柄色との二色で染め上げられる「江戸小紋」は、色無地と同格にあつかわれ、袋帯や名古屋帯を締めます。

お茶席や結納、式典、お宮参り、形式的な訪問などに着られます。また、喪服用の黒供帯を用いて弔事に参列することもできます。江戸小紋には、鮫・毛万・七宝・亀甲・網・桜・縞・格子・蝶など、たくさんの柄があり単彩多種にわたります。

江戸時代、質素倹約の名のもとに、極端に派手さを抑えられた職人たちは、色数を抑える一方で柄の細やかさにシノギをけずることでその「粋さ」を表現しようとしたのです。その歴史は、室町時代から始まり上杉謙信所用の紋付小紋帷子(かたびら)が米沢市の謙信神社に伝わっています。

江戸時代には武士の裃(かみしも)として発達し、裃は武家の公服となり家を象徴する柄となっていきました。徳川家の松葉、紀州家の極鮫、武田家の武田菱など、数多くの傑作が今に残っています。


鮫小紋(さめこもん)

鮫の肌ににているところから、この名がついたとされる。柄の細かいものを特に極鮫(ごくざめ)小紋と呼ぶ。


毛万(けまん)

万筋(まんすじ)、千筋(せんすじ)とも呼ばれる、縞柄。縞が細くなるほど高額で、極毛万筋(ごくもうまんすじ)などがある。


鱗(うろこ)

魚の鱗のように三角形を連続して並べた文様。


小桜(こざくら)

桜の花びら


分銅(ふんどう)

重さを量るおもりの柄。金銀を鋳造して貯金としていた。


両面染江戸小紋

ふつう単衣の小紋は裏側に柄がありませんが、両面に染めてあると単衣に仕立ても裏に柄が見えておしゃれです。

「知らないと後悔する着付け教室の話」が集英社に取材されました

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