第2章 きものの着方

202.長襦袢の着方

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(1)最初に足袋をはきます。

足袋は内側が見える様に、半分位折り返し、つま先から足にピッタリとそぐわせます。

こはぜは、下から止めます。

※裾除と肌着の着方、タオルでの補整の仕方は「201.下着の着方」「103.体型補正」を参照してください。

長襦袢を着ます。

半衿の内側に衿芯を通します。

衿の中心と衿芯の中心を合わせます。

長襦袢を肩にかけ、袖に手を通します。

背中心を合わせます。

片手で衿先を合わせて持ち、もう一方の手で背中心を持ちます。

衿先を合わせた手が体の中心にあれば、背中心も真中です。

(2)両手を前後に動かして、体になじませます。

このまま、背中心を後に引いて、衣紋をぬきます。

おしゃれ着の場合、こぶし半分程度。

礼装の場合、こぶしひとつ程度。

(3)衿を合わせます。

衿を前に引き戻さない様に、両胸の上に置くようにします。

手を持ち替えて、上前を右手、下前を左手で持ちます。

衿の開き具合を確認し、衿のVが体の中心にくるようにします。

(4)衿を動かさない様に、胸のすぐ下に腰紐を当てます。

(5)腰紐を後に回したら、交差した腰紐を片手に持ちます。

もう一方の手で、背中心を確認します。

背中心がずれていたら、真中に戻します。

(6)腰紐を両手に持ち替え、背中心に指を1本ずつ入れます。

(7)指を横にしごく様に、背中心のしわを取りながら腰紐を締めます。

(5)、(6)、(7)の間、腰紐が緩まないように、腰紐を常に後に引っ張っている様に注意します。

(8)前に戻した腰紐は、2回かけて

(9)交差してから、挟みます。

腰紐の締め具合は、ひもの下で指2本が入る位にします。

(10)腰紐を締めたら、もう一度きれいにしわをとります。

まず、背中心を下に引きます。

(11)背中心から指2本を入れ、両脇にしわを寄せます。

横のしわをとります。

(12)ヒップの上あたりを 下に引いて、縦のしわをとります。

この時、前かがみにならないように背筋を伸ばして着つけます。

肩に長襦袢がピッタリ添うまで 引っ張ります。

(13)次に脇の始末をします。

後身頃の身八つ口を前に引き、脇のしわを伸ばします。

(14)前身頃の身八つ口を後に引き、前のしわを伸ばします。

(15)腰紐の下の脇線で、しわをタックにたたみます。

それを そのまま下に引いて、腰紐より上のしわをすべてとります。

(16)反対の脇も、同様にしわをとります。

長襦袢できれいにしわをとる事で、着くずれしません。

(17)伊達〆をして 出来あがりです。

(12)の動作は、衿元が浮いた時などいつでも実行してください。

きれいに着つけるポイントです。

長襦袢のサイズについて

きものは洋服とは違いサイズに関係なく着られる、と思われがちですが、それは大きな誤りです。確かに身長10cm程度の差なら、母親などのきものでも、どうにか着られます。

しかし、それは単に着られると言うだけできれいに着ることはできません。自宅などで普段には着られても、人目のきびしい晴れ着としては物足りなさがぬぐえません。

幸いきものや長襦袢は、寸法直しが可能です。自分の体型に合わせた長襦袢を着ることが、きれいな着付の第一歩となります。もし、チグハグなサイズなら、早い段階での対応が必要です。

入門者には、少々苦言をていすることになるかも知れません。でも、もし長襦袢のサイズが合わなければ、その上に着るきものはどうするのでしょう。さらに、その上の羽織やコートは……。

洋服なら1~2cmの違いは、ほとんど気にならいかも知れません。しかし、日本人の繊細な気質そのものであるきものは、今なおオーダーメイドが基本です。遅かれ早かれ一分いちぶ二分にぶの違いが気になってくるのがきものです。結局、寸法の合わないきものは、きれいに着ることも、着せることもできないのです。

「知らないと後悔する着付け教室の話」が集英社に取材されました

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