(1)最初に足袋をはきます。
足袋は内側が見える様に、半分位折り返し、つま先から足にピッタリとそぐわせます。
こはぜは、下から止めます。
※裾除と肌着の着方、タオルでの補整の仕方は「201.下着の着方」と「103.体型補正」を参照してください。
長襦袢を着ます。
半衿の内側に衿芯を通します。
衿の中心と衿芯の中心を合わせます。
長襦袢を肩にかけ、袖に手を通します。
背中心を合わせます。
片手で衿先を合わせて持ち、もう一方の手で背中心を持ちます。
衿先を合わせた手が体の中心にあれば、背中心も真中です。
(2)両手を前後に動かして、体になじませます。
このまま、背中心を後に引いて、衣紋をぬきます。
おしゃれ着の場合、こぶし半分程度。
礼装の場合、こぶしひとつ程度。
(3)衿を合わせます。
衿を前に引き戻さない様に、両胸の上に置くようにします。
手を持ち替えて、上前を右手、下前を左手で持ちます。
衿の開き具合を確認し、衿のVが体の中心にくるようにします。
(4)衿を動かさない様に、胸のすぐ下に腰紐を当てます。
(5)腰紐を後に回したら、交差した腰紐を片手に持ちます。
もう一方の手で、背中心を確認します。
背中心がずれていたら、真中に戻します。
(6)腰紐を両手に持ち替え、背中心に指を1本ずつ入れます。
(7)指を横にしごく様に、背中心のしわを取りながら腰紐を締めます。
(5)、(6)、(7)の間、腰紐が緩まないように、腰紐を常に後に引っ張っている様に注意します。
(8)前に戻した腰紐は、2回かけて
(9)交差してから、挟みます。
腰紐の締め具合は、ひもの下で指2本が入る位にします。
(10)腰紐を締めたら、もう一度きれいにしわをとります。
まず、背中心を下に引きます。
(11)背中心から指2本を入れ、両脇にしわを寄せます。
横のしわをとります。
(12)ヒップの上あたりを 下に引いて、縦のしわをとります。
この時、前かがみにならないように背筋を伸ばして着つけます。
肩に長襦袢がピッタリ添うまで 引っ張ります。
(13)次に脇の始末をします。
後身頃の身八つ口を前に引き、脇のしわを伸ばします。
(14)前身頃の身八つ口を後に引き、前のしわを伸ばします。
(15)腰紐の下の脇線で、しわをタックにたたみます。
それを そのまま下に引いて、腰紐より上のしわをすべてとります。
(16)反対の脇も、同様にしわをとります。
長襦袢できれいにしわをとる事で、着くずれしません。
(17)伊達〆をして 出来あがりです。
(12)の動作は、衿元が浮いた時などいつでも実行してください。
きれいに着つけるポイントです。
長襦袢のサイズについて
きものは洋服とは違いサイズに関係なく着られる、と思われがちですが、それは大きな誤りです。確かに身長10cm程度の差なら、母親などのきものでも、どうにか着られます。
しかし、それは単に着られると言うだけできれいに着ることはできません。自宅などで普段には着られても、人目の厳しい晴れ着としては物足りなさが拭えません。
幸いきものや長襦袢は、寸法直しが可能です。自分の体型に合わせた長襦袢を着ることが、きれいな着付の第一歩となります。もし、チグハグなサイズなら、早い段階での対応が必要です。
入門者には、少々苦言を呈することになるかも知れません。でも、もし長襦袢のサイズが合わなければ、その上に着るきものはどうするのでしょう。さらに、その上の羽織やコートは……。
洋服なら1~2cmの違いは、ほとんど気にならいかも知れません。しかし、日本人の繊細な気質そのものであるきものは、今なおオーダーメイドが基本です。遅かれ早かれ一分二分の違いが気になってくるのがきものです。結局、寸法の合わないきものは、きれいに着ることも、着せることもできないのです。